文章が分かりづらい原因の一つに、「一文が長過ぎること」が挙げられます。
しかし、短い一文を何度も並べると、今度は幼稚な文章である印象を与えてしまうものです。
では、一文はどのくらいの長さにすればよいのでしょうか。
結論をいうと、心理学的にわかりやすい一文の長さは「40文字前後」とされています。
この記事では、一文を短くするメリットや、短い一文を使う際の注意点を解説します。
一文の長さを無料で測定できるサイトも紹介しているので、これまで一文の長さを気にしていなかった方は測定してみましょう。
適切な一文の長さを理解して実践することで、確実に文章がわかりやすくなりますよ!
長い一文と短い一文の例
はじめに、実際に一文が長いケースと短いケースを比較してみましょう。
(長い一文の例)
わたしは最近、推理小説にハマっていて、特に寝る前に読むことが多く、物語の展開に夢中になってついつい夜更かししてしまい、次の日の朝、起きられないことがよくありますが、やめられません。
(短い一文の例)
わたしは最近、推理小説にハマっていて、特に寝る前に読むことが多くあります。物語の展開に夢中になってついつい夜更かししてしまいます。次の日の朝、起きられないことがよくありますが、やめられません。
「長い一文の例」では一文が91文字なのに対し、「短い一文の例」では30文字程度です。
文章の改善においては、改行を加えたり漢字をひらいたりする手もありますが、ここでは単純に文章を区切って一文を短くしています。
それだけでも、読みやすくなったのではないでしょうか。
長い一文の例は、意味がわからなくものないものの、分かりづらく感じます。
また、ダラダラと話が続いて、「いつ話が終わるのだろうか」とモヤモヤしたかもしれません。
一文の長さは「40文字」が目安
心理学的に、読むのに負担が少なく、わかりやすい一文の文字数は「40文字前後」とされています。
40文字というのは、Microsoft Wordの一行の長さ(文字数)です。
よく使われる文書作成のソフトでは、一行が40文字前後で設定されています。
「一文が一行程度になるように」と意識して書けば、かんたんに最適な一文の長さを判断できるでしょう。
ただし、IT系の内容は「60文字」が目安
IT系の内容の場合、「インターネットサーバー」や「プロジェクトマネジメント」など、そもそも単語自体が長いケースが多くあります。
単語の文字数は削れないため、単語が長い影響で、一文が40文字よりも長くなってしまうのです。
そのため、IT系の文章を書くテクニカルライティングでは「一文は60文字(一行半)程度」が目安とされています。
「一文は一行(40文字)程度」を基本にしつつも、内容によっては多少前後するということを覚えておくとよいでしょう。
事情があれば、無理に短くする必要はないということです。
一文を短くするメリット5つ
Webライティングに限らず、一文の長さは短いほうが理解しやすいものです。
一文が短いほど、文章構造や意味を捉えやすく、読むうえでのストレスが減ります。
一文が短いと、わかりやすいことだけでなく、Webライティングではさまざまな良い効果が生まれます。
ここでは、Webライティングにおいて「短い一文のメリット」を5つ紹介します。
読者の関心をひきやすい
短い文章はパット見で意味を理解できるため、読む人の関心をひきやすくなります。
タイトル文やキャッチフレーズを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
文章を短くすれば、おのずとキーワード中心の文言になります。
その結果、読者は一目で記事のテーマや内容を理解でき、より関心を得やすくなるのです。
読者が知りたい内容をスマートに知れる
Web検索では「読者は知りたいことやニーズがあり、それに関連する情報を調べる」のが前提です。
そのため、内容に関心のある読者がサイトを訪れた際には、
「いかにその読者が知りたい内容をスムーズに知れるか」が重要になります。
一文が短いことで読みやすい文章になれば、読者は知りたい情報を見つけやすくなります。
さらに内容も理解しやすいため、読者の知りたい欲求を満たしやすくなるのです。
リズムよく文章を読み進められる
一文が短ければ、簡単に意味を理解できるため、サクサクと読み進められます。
「サクッと読める」はWebの文章にとって重要なポイントです。
Web記事の読者の多くは「本腰を入れて勉強するほどではないけれど、気になることがあり、簡単に知りたい」という方が多いからです。
短い一文で書かれたわかりやすい説明であれば、読者はサクサクと記事を読み進められるでしょう。
スマートフォンでも読みやすい
短い一文はスマートフォンでの表示においても最適です。
一文が短ければ、スマートフォンなどの小さな画面でも一文全体が目に入り、ストレスなく読み進められます。
逆に、一文が長い場合、スクロールしながら一文を追う場面が増えます。
読んでいる文章の位置が途中で変わってしまうため、読者は集中力を求められ、疲れやすいでしょう。
離脱を防げる
ここまでに挙げた4つのメリットは、「滞在時間を伸ばして、離脱を防ぐ」ことにつながります。
短い一文を使うことで、読者の注意を引きやすくなり、スマートフォンでの読みやすさが向上します。
内容を理解しやすくサクサク読めるため滞在時間が増え、途中でサイトを離脱するリスクが減るのです。
【注意】短い一文が続くと幼稚な印象を与えることも
ここまで、一文は40文字程度で書くとわかりやすいことを説明してきました。
そこで読者の中には「もっと、できるだけ短くするほうが良いのでは?」と思った方がいるかもしれません。
ここで再度、先程の「短い一文の例」を見てみましょう。
(短い一文の例)
わたしは最近、推理小説にハマっていて、特に寝る前に読むことが多くあります。物語の展開に夢中になってついつい夜更かししてしまいます。次の日の朝、起きられないことがよくありますが、やめられません。
この文章は一文一意ではないため、一文一意にすればさらに短くできます。
実際に短くしてみましょう。不自然にならないために、多少、文末表現を変えています。
(一文を可能なかぎり短くした例)
わたしは最近、推理小説にハマっています。特に寝る前に読むことが多いです。物語の展開に夢中になって、ついつい夜更かししてしまいます。その結果、次の日の朝、起きられないこともよくあります。しかし、やめられません。
「一文を可能なかぎり短くした例」では、一文の長さが20文字程度となっています。
意味のわかりやすさとしては、わかりやすいと言えるでしょう。
しかし、文章全体をみたときに「幼い」や「拙い」といった印象を受けたのではないでしょうか。
短ければ短いほど、文章は単純になり、わかりやすくなります。
短い一文はインパクトが大きいため、タイトル文やキャッチコピーのように、限定的に使うのには効果的です。
しかし、短文ばかりが羅列されてしまうと、内容によっては幼稚な印象を読者に与えかねないのです。
例えば幼い子どもは「〇〇でね、〇〇でね、〇〇でね……」と短い文章を続けて話すことがあります。その〇〇が続いているのと同じような印象を受けるため、幼い表現のように感じることがあります。
記事は一文だけでなく、一文が連なった文章で成り立つものです。
特にオウンドメディアの説明では、強すぎず弱すぎず、フラットな印象で内容を伝えることも求められます。
「一文が40文字程度」というのは、わかりやすいだけでなく、説明文章において適切な印象を与える長さともいえるでしょう。
自分の一文の長さを測ってみよう
これまで一文の長さを意識していなかった方は、実際に自分がどの程度の長さで文章を書いているのか、気になるのではないでしょうか。
一文の長さを知りたい方は、こちらのサイト(devroom 文字数カウント)で無料で測定できます。
過去に書いた文章などをテキストボックスに貼り付けて、文字数を数えてみましょう。
一分あたりの文字数が40文字を大きく超えるようであれば、改善しましょう。
一文は一行で書こう
一文の長さは40文字程度がよい、ということを説明してきました。
しかし、一文の文字数に気を配って書き続けるのは容易ではありません。
記事でも説明したとおり、多くの文書作成ソフトでは一行が40文字前後の設定になっています。
まずは「一文がだいたい一行になっているか」を意識してみましょう。
少し気をつけるだけで、ぐっとわかりやすい文章に変わりますよ!