Webライティングのルールやガイドラインを定める「レギュレーション」。
Webライターへの外注において必要とされるものです。
しかし、発注に慣れていないなどで、クライアントがレギュレーションを用意していないことがあります。
レギュレーションがないまま執筆を進めるのは、トラブルのもとになるため避けたいものです。
この記事では、レギュレーションがない場合にWebライターとして取るべき対応について詳しく解説します。また、Webライターからクライアントに提案する際の簡易的なレギュレーション例も紹介しているので、参考にしてください。
レギュレーションはお互いにとって必要なもの
Webライティングにおいて、レギュレーションは発注者とWebライターの双方にとって不可欠なものです。
たとえば、次のような理由が挙げられます。
このような理由から、レギュレーションがない状態のまま、お互い「なんとなくの認識」で仕事を進めるのはリスクが非常に大きいと言えます。
一方で「なんとか仕事を進めたい」と思うWebライターの方もいるでしょう。
以降では、レギュレーションがない場合でも仕事を進めるために、Webライターとしてはどのような対応が求められるのか解説していきます。
レギュレーションがない場合の対応ステップ
まず、レギュレーションなしのまま仕事を進めるのは避けましょう。
先ほど説明したとおり、大きく手戻りのリスクを抱えることになります。
だからといって、本格的なレギュレーションを作成するのも現実的ではありません。
レギュレーションの作成にはWebディレクションの知識が求められ、包括的にWebサイト全体を理解する必要があるからです。
また、一度作れば終わりではなく、定期的な見直しも求められます。
ここでは、現実解として、レギュレーションがない場合の対応ステップを紹介します。
STEP1:レギュレーションの存在を確認する
まず、発注者からの提供資料にレギュレーションが含まれていない場合には、必ずレギュレーションの存在有無を確認しましょう。
レギュレーションがなさそうだからといって、本当にないのかはわからないためです。
たとえば、次のようなケースが考えられます。
Webライティングの外注は割とメジャーになってきましたが、それでも初めて外注しますという発注者さんもいます。実は、発注者さんも、はじめてのWebライティングの外注にドキドキしていたりするのです。
「実は、レギュレーションが存在する」という可能性もあるため、確認は重要です。
「レギュレーションがないことを指摘するのは、発注者に対して失礼なのではないか?」などど心配する必要はありません。
Webライティングの発注において、レギュレーションは必要不可欠なものです。
まずは必ず、レギュレーションが本当に存在しないのか、を確認しましょう。
発注者に対して「もし、レギュレーションがなくても、一緒に対処を考えましょう」という姿勢で話を切り出せば失礼になりませんよ。
STEP2:発注者に簡易的なレギュレーションの作成を依頼する
レギュレーションが存在しないことが明確になったら、次は、発注者に簡単なレギュレーションの作成を打診してみましょう。
発注者側で対応してもらえるなら、対応をお願いするに越したことはありません。
もし、発注者がレギュレーションを用意することになった場合は、スケジュールの調整も忘れずに実施しましょう。
STEP3:Webライターが簡易的なレギュレーションを提案する
発注者にレギュレーションの作成を打診しても、実質的に難しく、断られることも少なくありません。
その場合、簡易的なレギュレーションをWebライターが提案するのも手です。
ただし、提案の前提として、自身が基本的なライティングスキルを身に着けていることが重要です。
基本的なライティングスキルがない状態では、より高度な視点が求められるライティングの方針(レギュレーション)を決めるのは難しいでしょう。
そのため、「基本的なライティングスキルはあって、大きな方針だけ確認しておきたい」という方に簡易的なレギュレーションの提案をおすすめします。
一つの目安として、文字単価1.5円以上でしたら、基本的なライティングスキルが身について仕事にも慣れていることでしょう。
まだまだWebライター初心者だよ、という方は発注者に用意してもらうように粘りましょう……。
このブログでも「SEO対策&ライティング」のカテゴリで、基本的なWebライティングのルールを載せています。ぜひ参考にしてください。
簡易的なレギュレーションの例
Webライターから提案する場合の簡易的なレギュレーションをご紹介します。
このレギュレーションは、レギュレーションがない状態で一刻も早くWebライターが執筆に着手できることを目的として、作成しています。
個別の案件事情に応じて、カスタマイズしてお使いください。
このレベルでわからないことがあれば、必ず執筆前に発注者に確認しましょう。
細かい取り決めは、実際に執筆で出てきたら「申し送り」として残す
たとえば、引用の記載では、もっと細かく記載方法を定める必要があります。
しかし、実際に記事で引用があるかは別の話で、引用がない記事も多くあります。
使うかどうか不明瞭なら、あらかじめ細かく規定する必要はありません。
実際に出てきたら表記を取り決めるようにしましょう。
また、簡易的なレギュレーションだと、実際の執筆で細かい表記に悩むことが増えます。
たとえば、「お客さま」と「お客様」のどちらで書くか、などです。
確認すべき項目の数が多い場合、発注者に逐次、確認を取るのもお互いにとって大変です。
おすすめなのは、あらかじめ発注者に対して「細かな表記について申し送りとして伝えさせてほしい」とお願いすることです。
まとめて確認をとることで、お互いの手間を減らせます。
【超重要】レギュレーションを提案する際のポイント
Webライターから管理的なレギュレーションを提案する際に大事なポイントを説明します。
あまり考えたくありませんが、善意による提案によって不利益を被ることがないように、大切なポイントを3つ挙げています。
できる範囲で、できることをやろう
この記事ではレギュレーションがない場合に、どのように仕事を進めていくのがよいかを解説しました。
レギュレーションの存在を疑わずに契約した結果、レギュレーションがなくて焦ったという方もいるかもしれません。
レギュレーションがない仕事はできれば避けたいものですが、実際には発生してしまうものです。
筆者の場合、文字単価が上がるに連れ、レギュレーションがないケースに出会う頻度が増えました。
文字単価が上がると、発注初心者の方に頼られるようになるからかもしれません。
レギュレーションがなくて焦るのは、Webライターだけではなく、発注者であるクライアントも同じです。
レギュレーションの存在をWebライターに指摘されて、戸惑っているかもしれません。
レギュレーションの提案は依頼内容に含まれないため過度に対応する必要はありませんが、仕事としてはうまく進めたいものです。
このようなときこそ、クライアントとコミュニケーションをしっかり取って案件を進めてきましょう。
「一緒に困った状況を乗り越えた仲間」になれるチャンスです。
この経験がその後の仕事に大きく役立つことを願っています。