Webライターは、ライター業の中でも、Web媒体に掲載する記事を制作するライターです。
とはいえ、Web上にはあらゆる記事が溢れていることから、「Webライターって、具体的にはどんな記事を書くのだろう?」と疑問に思うのではないでしょうか。自分がWebライターになるとしたらどのような記事のジャンルを書けるだろうか、どんな仕事内容の募集があるんだろうか、と気になるものです。
実は、Webライターの多くはジャンルを問わず記事の制作を請け負います。そして、Webライターが書く記事は大きく6種類に分けられます。
この記事では、Webライターが書く6種類の記事について解説し、その中でもWebライター初心者におすすめの記事の種類を紹介します。これからWebライターをめざす方、Webライターの仕事に漠然とした不安がある方はぜひ参考にしてください!
Webライターとは?
Webライターとは、インターネット上での情報発信(いわゆるWeb媒体)において、読者を引きつけるための文章を作成する仕事です。
例えば、インターネットには企業のウェブサイト、ブログ、ニュースサイト、SNS、オンラインマガジンなど、さまざまな情報発信の場があります。発信の場は色々あれど、あらゆる「インターネットを介して発信される」文章がWebライターの仕事の対象となります。
つまり、Webライターの仕事のポイントは、その名前からも分かるように「インターネット」や「Web」で発信される文章を書くライターである、という点です。そのため、Webライターは記事を書くのが仕事というイメージがありますが、必ずしも制作するのは「記事」とは限りません。YouTubeのシナリオ制作といった仕事もあります。
しかし、どの仕事であってもWebライターに求められるのは「Webで配信される場合に効果的である文章であること」です。
例えば、小説・漫画・雑誌・ブログなど、どれも文章が用いられますが、書き方や媒体は異なります。読み手の読み方やニーズに合わせて、最適な媒体や書き方が異なるからです。
Webで配信されるコンテンツの場合、Googleなどの検索エンジンで上位表示されることが重視されます。Google検索の何位に表示されるかによって、見てもらえる機会が大きく変わるためです。こういったWebの特性を十分に理解し、検索の上位に表示されるような文章を書く力がWebライターには求められるのです。
Webライターが書く記事のジャンル
記事を書くと聞くと、どのようなジャンルを扱うのか気になる方もいるでしょう。Webライターが書く記事のジャンルは、基本的には決まっていません。
もちろん、特定のジャンルに特化して活動しているWebライターもいますが、ジャンルにこだわらず活動しているWebライターの方が一般的といえるでしょう。実際にWebライターのプロフィールを見ると、あまり関連のないジャンルを複数並べていたり、記載の無いジャンルも受け付けるという旨がよく書かれています。
「えぇ!?どんなジャンルでも書けるの!?」と不思議に思ったかもしれません。はい、極度に専門的だったり特殊だったりしない限り、書けます。なぜなら、「調べてから、書く」というのがWebライターの仕事だからです。知らないことでも、大半は調べれば書けます。
さらに、Webライターは、専門知識がなくても専門分野の記事も書きます。その理由は「監修」があるからです。
例えば医療分野などでは「監修」という表記を見かけます。監修とは、これは専門知識や資格を持った人が記事の内容の正しさなどを監督している、という意味で、元の原稿は概ねWebライターが書いています。
このように、Webライターは知らない内容や専門的な内容でも記事を制作できます。そのため、仕事の間口を広げるために、ジャンルにこだわらずに活動するWebライターが多いのです。
得意分野があるライターは「〇〇系ライター」などとアピールしているケースもあります。
Webライターが書く記事は6種類
Webライターの仕事はジャンル別ではありませんが、記事の目的や掲載されるメディアによって主に次の6種類に分けられます。活動場所が6種類ある、というイメージです。
Webライターが請け負う6種類の仕事について解説します。
企業サイトの記事(オウンドメディア)
調べ物をしたいとWeb検索をしたときに、いちばん目にするのは企業が運営しているWebサイトのブログ記事ではないでしょうか。あらゆる企業がホームページなどのWebサイトを通じて、読者や消費者に役立つ情報を提供しています。
この企業が運営するブログ記事を「オウンドメディア」と呼びます。
例えば、換気扇の掃除方法に悩んでWeb検索したとします。そうすると、記事には換気扇の掃除方法と一緒に、面倒な換気扇掃除を楽に済ますコツや役立つグッズも紹介されていないでしょうか。お役立ちグッズが面倒な換気扇掃除にどのように役立つかを見ることで、より購入意欲が高まることでしょう。グッズを購入しなかったとしても、役立つ情報を提供してくれた実感があれば、企業への好感につながります。
Webマーケティングの主流な方法であるオウンドメディアは、今やあらゆる企業が取り組んでいます。しかし一方で、企業にWeb発信を専門とする人材が豊富にいることは稀です。そのため、記事制作を外注する企業は多く、Webライターが活躍しています。
個人ブログの記事
個人のブログというと日記を思い浮かべるかもしれませんが、個人ブログの中にも「アフェリエイト」と呼ばれる収益を目的としたブログの形態があります。アフェリエイトでは、商品やサービスを個人ブログで紹介して広告収入を得ます。
ブログ運営はWebライティングのスキルアップに直結するため、Webライターの中にはアフェリエイトブログを仕事としている人もいます。
アフェリエイトブログは、個人で運営するものながらも、収益を得るためには100を超えるような非常に多くの記事が必要といわれています。そのため、例えば既に収益を上げているブログ運営者が、ブログ記事を代筆してくれるライターを探しているケースもあります。
インタビュー記事
Webライターの仕事として、インタビュー記事の案件も少なくありません。
インタビューというと有名人を思い浮かべるかもしれませんが、Web上の記事では一般の方を対象としたインタビュー記事も多く掲載されています。例えば、体験談や成功ストーリーは、一般人の話だからこそ身近に感じられ、読者にとって関心が高い内容でもあります。
インタビュー記事の制作は、Webライターがインタビューの実施から記事制作までを請け負います。インタビュースキルが必要となりますが、その分、報酬が魅力的です。
セールス記事
商品購入を直接的に促すことを目的としたセールス記事の作成も仕事の一つです。
例えば、広告をクリックすると、ところどころに購入ボタンが組み込まれた縦に長いページが表示されたことはないでしょうか。これはLP(ランディングページ)と呼ばれ、サービスや商品の購入に直結させるためのページです。
LPのデザインや写真は別の方が担当しますが、文章はWebライターの仕事です。購買意欲を高めるための「セールスライティング」というスキルが求められます。
YouTubeシナリオ
YouTube動画のシナリオ制作の案件もあります。YouTubeシナリオの制作では、指定されたテーマやキーワードに基づいて、動画のストーリー、画面表示される文字、ナレーション原稿などを作成します。
普段、YouTubeをよく見る方にとってはイメージしやすく馴染みのある仕事内容かもしれません。ただし、一口にYouTube動画のシナリオといっても、目的やクライアントによって求められることや報酬が大きく異なる点に注意しましょう。
例えば、企業が配信する解説動画やオンラインセミナーの動画に使うシナリオ制作の場合、オウンドメディアの一環となります。その他にも、アフェリエイトブログと同じく広告収入を目的としたYouTube動画配信もあります。
ニュース記事
多くの人がニュースをWebで確認する時代において、様々な情報サイトに掲載されるニュース記事もWebライターが執筆しています。新聞や情報番組で報じられた情報をウェブ向けに適切にまとめ、読者にわかりやすく提供することが求められます。
Webライター初心者におすすめなのは企業サイトの記事
Webライターが書く記事は6種類に分けられると説明しました。その中でも、Webライター初心者におすすめなのは、企業サイトの記事制作です。ここでは、Webライター初心者に企業サイトの記事制作をおすすめする理由を解説します。
案件が豊富で収入の安定化につなげやすい
企業運営においてWebでの活動は欠かせない時代となり、どの会社もホームページでの情報公開やオウンドメディア運営を行っています。しかし企業には運営に十分な人材がいないため、Webライターの募集が活発な状況です。
募集が多いということは、Webライターから見れば仕事を得やすいということにつながります。
Webライター初心者のうちは、なかなか収入が安定せず、精神的にも不安定になりがちです。仕事の経験を積んで、収入を安定化させるという面において、企業サイトの記事制作はとてもおすすめです。
異なる企業でも、基本的な仕事内容は同じ
企業サイトの記事は、企業が異なってもWebライターの書く記事は基本的に同様の形式です。主に、ユーザーが求める情報を客観的かつ論理的に説明する記事の作成が求められます。
そのため、クライアント企業が変わったからといって、また仕事をイチから覚え直さなくてはいけない、ということはありません。異なるクライアント企業であっても、実績を積めるのです。
もちろん、企業の特色や主張を伝えるようなオウンドメディアや記事もあります。しかしこのようなケースは、しっかりとその企業を理解した社員でなければ対応が難しいものです。そのため、外注される仕事としては、基本的に客観的な書き口の説明記事になります。
ルールが決まっていて執筆しやすい
企業サイトの記事制作には、複数のWebライターが関わることが一般的です。そのため、どのWebライターでも一定の記事品質を保てるように、記事制作のルールを定めている企業が多い傾向にあります。
ルールが多いと執筆しづらい、と思うかもしれませんが、実は逆です。ルールが明確に決まっている方が記事はスムーズに書けます。
例えば、「ユーザー」と「ユーザ」、「Web」と「ウェブ」、「梅干し」と「梅干」など、どちらの表記も正しいものです。しかし、これらの複数の表現が同じ記事内で存在することは「表記ゆれ」とよばれ、記事の品質を下げる原因となります。
その他にも、文章の書き方には色々な方法があります。そのため、ルールが決まっている方がWebライターの仕事としては表現や書き方に迷わずに記事を制作できるのです。
企業によっては、このような表記のルールだけでなく、文章の書き方から説明した丁寧なマニュアルを用意しているところもあります。Webライター駆け出しで、基本となる仕事の型が身についていない方には、企業の執筆マニュアルは心強い味方となってくれるでしょう。
担当者がWebライター初心者にも慣れている
企業の場合、依頼の担当者がWebライター初心者や新人への対応に比較的慣れているケースが多い、というのも心強い点です。
企業である以上、人材の入れ替わりは避けられません。また、一部の仕事を外注することも一般的なことです。そのため、新しい人材や外注先への対応に関するノウハウを持つ企業が多いと考えられます。
仕事を進める上ではクライアントとの連携が欠かせません。こちらが初心者であることを理解し、質問しやすい雰囲気や手厚いフォローを期待できるようなクライアントであれば、よりスムーズに仕事を進められるでしょう。
逆にWebライターへの発注に慣れていないクライアント企業は、文字単価2円以上のプロのWebライターを募集することが多いです。
企業との直接契約なら、実績として利用するための許可を得やすい
Webライターは、実績のあるWebライターほど仕事がくる職業です。そのため、Webライター初心者は、いかに「公表できる」実績を作るかがポイントになってきます。
しかし、この「公表できる」実績というのが、なかなか難しいものなのです。なぜなら、自分で書いた記事でも著作権はクライアントに帰属するため、勝手に納品した記事の制作者が自分であることを公表するのは法律違反となります。
そのため、クライアントが「今回の記事を実績として営業に利用しても良いですよ」と言ってくれてはじめて、実績として公表してよいのです。そして、残念なことに、Webライター初心者に発注してくれる多くのケースでは、基本的に実績としての利用許可はもらえません。
記事制作を外注または代筆していることを知られたくない、というケースが多い模様
しかし、その厳しい状況の中でも、企業と直接契約した場合は比較的、「ポートフォリオへの掲載OK」「案件応募の際だけの利用ならOK」といった許可をもらえることがあります。
企業名をWebライターに出してもらえればそれも営業になる、いい仕事をしたWebライターなのでこの先も付き合いを続けたいから応援しよう、といった理由が挙げられるようです。
「良い仕事をする」というのが前提ではあります。
企業のお墨付きを得られれば、その後の仕事において大きな味方となるでしょう。
Webで見る文章はすべてWebライターの仕事になり得る
この記事では、Webライターがどんな記事を書いているのか、その種類を紹介してきました。Web上で見る幅広い内容のあらゆる記事がWebライターの仕事の対象であることが理解できたのではないでしょうか。
Webライターの仕事の対象は広くありますが、全てに対応できる必要はありません。
これからWebライターをめざす方には、基本的な記事の書き方を身につけられる企業サイトの記事制作がまずはオススメです。とはいえ、YouTube動画をよく見る人はYouTubeシナリオだったり、仕事で営業をしていた経験がある人はセールス記事にチャレンジするのもよいでしょう。
Webの文章を扱うWebライターには幅広い仕事の選択肢があります。Webライターに興味がある方は、実際にクラウドソーシングサイトでの募集内容も見てみてください。より具体的にWebライターとして働く自分の姿を思い描けますよ。