「漢字ばかり続くから、ひらがなにした方がいいかな?」
「何を漢字で書いて、何をひらがなで書くの!?レギュレーションを覚えきれないよ!」
Webライティングでは、漢字表記をひらがなに変えることを「ひらく」といい、漢字表記で書くことを「とじる」といいます。特定の漢字をひらき、ひらがなで書くことで、文章をより読みやすくできるのです。
しかし、これまで無意識に漢字を使用していた方は、Webライティングにおいてどの漢字をひらけばよいのかわからず、困ってしまうことでしょう。
この記事では、漢字をひらく理由、そしてひらく漢字のルールについて解説します。
漢字をひらくかどうかは混乱しがちな問題ですが、一度、ルールや基準を知ってしまえば難しくないですよ!
漢字を「ひらく」「とじる」とは
漢字を「ひらく」とは、ひらがなで書くことです。逆に、ひらがなで書いている言葉を漢字で書くことを「とじる」といいます。
漢字を「ひらく」か「とじる」かに、明確なルールはありません。
しかし、読みやすい文章の特性などから、Webライティングではおおよそのルール(実質的な共通認識)があります。
漢字を「ひらく」理由
漢字を「ひらく」のには、いくつか理由があります。
文章全体のバランスを整えるため
漢字ばかりだと難しく感じ、ひらがなばかりだと幼稚に見え、カタカナ用語が続くと意味不明、という経験はないでしょうか。そのとおりです。
(例)
多数の漢字が使用されると難解な文章である印象を受ける。
ひらがなばかりが使われていると、おさない感じがする。
カタカナオンリーのテキストはコンテクストの理解がハードである。
読みやすい文章にするための漢字・ひらがな・カタカナのバランスは2:7:1といわれています。
このバランスで書かれた文章は見やすく、読む際のストレスが少なくなります。つまり、読みやすく、理解しやすい文章なのです。
「ひらがなが7割」は、意外と多いように感じるかもしれません。学校教育のように「習ったものは、漢字で書きましょう」という意識でいると、あっという間に漢字ばかりの文章になってしまいます。
そのため、意識的に漢字を「ひらく」ことが求められるのです。
漢字の意味の強調を避けるため
漢字で表記すると、よりその漢字の意味が強調されます。それを避けるために、漢字をひらくことがあります。
(例)「一層」
(とじるケース)パフェの一層目はサクサクのコーンフレークです。
(ひらくケース)いっそう企業が成長するきっかけとなりました。
とじるケースのように、「層」という漢字の意味が重要な場合はとじて表記しています。
しかし、ひらくケースは強調として「一層」という言葉を用いているのであって、「層」という本来の意味を強調する必要はありません。そのため漢字をひらいて、ひらがなで表記するのです。
漢字の読みの混乱を避けるため
漢字には複数の読み方があります。そのため、読み方の混乱を避けるために、一方の漢字をひらくケースもあります。
(例)
一時 → 時刻の「いちじ」はとじる / 「いっとき」はひらく
その他 → 「そのた」はとじる / 「そのほか」はひらく
「文中で読めば、どちらの意味かわかるのでは?」と思うかもしれません。しかし、読み方を一瞬でも考えることは、多少なりとも読むうえで読み手にストレスを与えていることとなります。
そのため、よりスムーズに記事を読んでもらうために、一方の漢字をひらくのです。
与える印象を変えるため
同じ意味でも、漢字とひらがなで読者は受ける印象が異なります。
(例)
学校 ↔ がっこう
先生 ↔ せんせい
勉強 ↔ べんきょう
両者を比較すると、漢字は厳格な印象を、ひらがなは柔らかさや親しみやすい印象を受けるのではないでしょうか?
特に、専門分野の話を、専門知識のない初心者向けに解説する記事などでは、親しみやすさや取っ掛かりやすさをアピールするために、漢字をひらいて印象を和らげます。
漢字をひらく基準
まず、漢字をひらくかどうかの基準は、レギュレーションや一般的なルールなどいくつか存在します。それぞれのルールの優先順序は次のとおりです。
【優先】 引用元の原文 > レギュレーション > 必ずひらく漢字・ひらくとよい漢字
引用文は、漢字の表記も含めて変更しないで記載します。ほかの箇所と表現が異なっても構いません。
引用文でない場合、レギュレーションでの取り決めが優先です。このあと必ずひらく漢字などをご紹介しますが、レギュレーションと異なる場合は、レギュレーションに従いましょう。
必ずひらく漢字
「必ずひらく漢字」は、レギュレーションでの指定がない場合における一般的な認識として記載しています。レギュレーションでの指定と異なる際には、レギュレーションを優先しましょう。
必ずひらく漢字は、次の5つです。
- 副詞
- 接続詞
- 形式名詞
- 補助動詞
- 常用漢字ではない漢字
それぞれ詳しく解説します。
副詞
副詞とは、動詞や形容詞など、名詞以外の語句に詳しい意味を加える語のことです。
(例)
なぜ(何故)、たいへん(大変)、たとえ(例え)、すでに(既に)、ときどき(時々)、ずいぶん(随分)、きわめて(極めて)、しばらく(暫く)、たいそう(大層)、いっそう(一層)、さらに(更に)
…など
副詞の「たいへん」は、「たいへん悲しそうな表情」「たいへん慌ただしい」など、後ろの文言を強調するために使うケースです。「大変だ」は漢字で記載します。
また、副詞の「たとえ」は「たとえ私が来なくても」「たとえ雪がふっても」などの場合です。「例えば」は漢字が使われます。
接続詞
文と文や、語句と語句をつなぐ接続詞もひらきます。
(例)
および(及び)、ただし(但し)、かつ(且つ)、または(又は)、したがって(従って)、ならびに(並びに)、なお(尚)
…など
深刻さや重厚な雰囲気を出したいニュースメディアでは、あえて接続詞に漢字を使うことがあります。
形式名詞
形式名詞とは「〜すること」のように、実質的な意味をもたないものの、対象となる節を名詞化するための名詞です。
(例)
〜すること(〜する事)、〜するたび(〜する度)、〜するとき(〜する時)、〜するうえで(〜する上で)、〜するほか(〜する他)
…など
補助動詞
補助動詞とは「〜して下さい」のように、動詞の後ろについて補助的な意味を加える語句のことです。
(例)
〜してみる(〜して見る)、〜してくる(〜して来る)、〜してください(〜して下さい)
…など
ほとんどの補助動詞はひらがな表記でしか見ませんが、「〜して下さい」は例外的に漢字表記もよく使われます。「Webライティングでは『〜してください』はひらく」と覚えておくとよいでしょう。
常用漢字ではない漢字
常用漢字とは、その名のとおり日常でよく使われる漢字を指します。
この表は,法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものである。
引用元:文化庁/常用漢字表 前書き
漢字を使用する際の目安として文化庁が定めたもので、「改定常用漢字表(H22)」で確認できます。固有名詞は対象外です。
Webの記事は広く一般に公開されるため、多くの方が馴染みのある常用漢字を使うようにし、常用漢字ではない漢字は使用を控えましょう。
ひらくとよい漢字
「ひらくとよい漢字」は、レギュレーションでの指定がない場合における一般的な認識として記載しています。レギュレーションでの指定と異なる際には、レギュレーションを優先しましょう。
「複合動詞」の後ろ側の漢字
2つの動詞をつなげてできた複合動詞は、うしろの動詞の漢字をひらきます。
(例)
探し回る(探す+回る) → 探しまわる
歩き続ける(歩く+続ける)→ 歩きつづける
読み方が複数ある漢字はひらく
読み方が複数ある漢字や熟語は、文脈によって読み方を判断する必要があり、多少なりとも読み手にストレスとなります。そのため、漢字をひらいて書くようにしましょう。
(例)
明日(あした/あす/みょうにち) 上手(じょうず/うわて)
一日(いちにち/ついたち) 一寸(いっすん/ちょっと)
辛い(からい/つらい) 人気(にんき/ひとけ)
「名詞と動詞以外はひらく可能性がある」と考えておきましょう。
ひらがなの割合を増やす方法
ルールに従って漢字をひらいても「なんだか漢字ばかり並んでしまう」ということもあります。その際は、漢字が続く「熟語」を別の言い方にできないか考えてみましょう。
(例)
食物繊維の含有量が多い食品を意識的に接種しましょう。
→食物繊維が多く含まれる食べものを意識して食べるようにしましょう。
(例)
文章能力の向上には、継続した執筆活動や添削指導が有効です。
→ライティング能力を高めるには、継続して文章を書いたり、添削や指導を受けたりするのが効果的です。
熟語を使うほうが、文章が短くなってスッキリとした印象になります。そのため、タイトルなど短い文章にまとめる際には熟語が多く使われます。
しかし、タイトルにその熟語を使ったからといって、本文でも同じように熟語ばかり使っていると読みづらくなっていまいます。漢字の割合が多いと感じるときには、熟語を別の言い方で表現できないか考えてみるようにしましょう。
ひらく・とじるを効率的にチェックするには
ひらく漢字について解説してきましたが「全部のルールは覚えられない」「簡単にチェックできないの?」と思うことでしょう。
そんな方には「文章作成アドバイスツール【文賢】 」という文章校正ツールがおすすめです。漢字をひらくかとじるか、だけでなく、表記ゆれの検出など、文章の校閲や推敲に役立ちます。
初期費用として11,880円(税込)、更新費用が月々2,178円(税込)かかるため、Webライター初心者にとってはけして安くはないでしょう。
それでもおすすめする理由は、身についていない知識の部分だけがチェックツールにかかるため、効率的にひらく漢字を学べるからです。
また、校正や推敲機能によって記事の質が上がれば、文字単価の向上にもつながります。Webライティングのスクールに行くことに比べれば安く、品質アップにつながるツールであるため、投資する価値がありますよ!
まとめ
この記事では、漢字をひらくかどうかの基準について解説しました。
これまで漢字で書いていた内容をひらがなに変えるのは、はじめのうちは違和感を覚えたり、戸惑ったりするかもしれません。しかし「わかりやすい」と評価される記事の多くで取り入れられている方法です。
ぜひ、漢字のひらく・とじるをマスターして、読みやすくわかりやすい記事を書けるようになりましょう!
\Webライティングの独学に限界を感じている方にオススメ👀✨/
記事制作の専門会社が提供するカリキュラムで、2ヶ月で月5万円の収入をめざそう!!