文章の途中で、文章を区切ったり読みやすくしたりするこの記号(、)を「読点」といいます。
この読点、当たり前のように使われるからこそ、打ち方に迷うことはないでしょうか?
読点が必要かどうか、そして、この位置でよいのか……?
読点は、ただ打てば良い、というものではありません。
適切な位置に読点を打つことで、文章の流れをスムーズにし、読み手にとってわかりやすくしてくれます。
この記事では、読点の基本的な使い方から効果的な使い方まで、詳しく解説します。
「今までなんとなく読点を打ってきた」という方は、ぜひ一度、確認してみてください!
句点(。)と読点(、)
日本語では一括りに「句読点」とまとめられることが多い、句点と読点。
まずは、それぞれの意味や用途を確認しておきましょう。
句点(。)は、文章や分節の終わりを示す記号です。
句点を打つことで、読み手に対して一つの考えや意見の区切り(つまり、一文)を明確に伝えられます。
一方、読点(、)は、文中の一息つく場所や意味の切れ目を示すために使います。
例えば、主語と述語の関係を明確したり並列関係の語句を区切ったりと、その役割はさまざまです。
役割や用途によって、適切な読点の位置や数が異なります。
まず、読点を打つ前に一文を短くしよう
読点を打つ位置で悩む場合、まずは文章の長さを見直してみましょう。
「読点の問題なのに、文章の長さ?」と思われたかもしれません。
しかし、文章が長ければ長いほど、必要な読点の数が増え、打ち方に悩むことになります。
一文の長さは、40字程度が適切です。
(例)
今日はとても忙しい一日でしたが、仕事を終えてから友人と会い、その後にショッピングをして帰宅しました。(83文字)
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今日はとても忙しい一日でした。
仕事を終えてから友人と会い、ショッピングをして帰宅しました。(20文字+33文字)
一文を短くすると、読点の使用頻度が自然と定まり、読点を打つ位置が定まりやすくなります。
読点を打つ前に、まずは一文を短くすることを心掛け、スムーズでわかりやすい文章をめざしましょう。
主語が長いときは、体言止めで主語を区切る
長過ぎる一文とともに、「長すぎる主語」も避けるようにしましょう。
読点を打つ箇所の解説では、「主語が長いとき」が挙げられることもあります。
しかし、読みやすさを重視するWebライティングにおいては、長過ぎる主語はそもそも避けるほうがよいです。
読点を打つのではなく、文章を区切って一文を短くしましょう。
長い主語を区切る際には、体言止めを活用するのがおすすめです。
(主語が長い例)
日本の古都であり、多くの歴史的建造物や文化財が残る京都は、国内外から観光客が訪れる人気の観光地である。
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日本の古都であり、多くの歴史的建造物や文化財が残る京都。
ここは、国内外から観光客が訪れる人気の観光地である。
読みやすくなる読点の打ち方4選
読点は、文章を読みやすくしたり、意味を明らかにしたりと、目的をもって使うのが大切です。
ここでは、より効果的に読点を使うための「読点を打ちどころ」を4つ解説します。
漢字やひらがなが連続するところ
漢字や、ひらがなばかりになってしまう箇所には、読点を打ちましょう。
(例)
昨日友達と映画を見に行きました。
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昨日、友達と映画を見に行きました。
例では、「昨日」と「友達」という、異なる意味の漢字が連続しています。
そのあいだに読点を打つことで、視覚的に区切りができて、文章が読みやすくなりました。
ひらがなが連続する例もみてみましょう。
(例)
その話を聞いて、彼はどうしたらいいのかわからなくなった。
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その話を聞いて、彼はどうしたらいいのか、わからなくなった。
この例では、「どうしたらいいのか」と「わからなくなった」の間に読点を追加しています。
「分かる」という漢字はひらいて書くケースも多いため、ひらがなが連続しがちです。
このように、ひらがなが連続する際に意味の切れ目で読点を打つと、読みやすくなります。
接続詞でつながれたところ
接続詞とは、文章や段落の前後において、話をつなげる役割をになう言葉のことです。
例えば、接続詞には順接や逆説、並列などの種類があります。
接続詞を使う際には、接続詞のあとに読点を打ちましょう。
(例)
男は壊れた斧を持ってきた。しかしこれでは全く役に立たないばかりか、害にもなりかねない。
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男は壊れた斧を持ってきた。しかし、これでは全く役に立たないばかりか、害にもなりかねない。
接続詞は、文章の関連性を示す重要なパーツです。
接続詞のあとに読点を用いることで、接続詞がより目立ち、文の関係性を理解しやすくできます。
ちなみに、Webライティングでは、できるだけ接続詞を減らすことが推奨されます。
修飾関係をはっきりしたいところ
まずは、次の例文を読んでみてください。
(例文)母は急いで学校に向かう娘のためにお弁当を準備しました。
この文章で、急いでいるのは「母」でしょうか?
それとも「学校に向かう娘」でしょうか?
「急いで」が修飾する語句が不明確なため、どちらの意味にもとれます。
このような場合、読点を加えることで、語句の修飾関係を明確にできます。
(母が急いでいる場合)
母は急いで、学校に向かう娘のために、お弁当を準備しました。
(学校に向かう娘が急いでいる場合)
母は、急いで学校に向かう娘のために、お弁当を準備しました。
読点を加えるほか、語句の順番を変えて修飾関係をわかりやすくすることもできますよ。
(例)学校に向かう娘のために、母は急いでお弁当を準備しました。
「間」をとりたいところ
読点は、文中に「間」をつくります。
音読するとき、読点の位置で一息つきながら読み進めるのではないでしょうか。
また、読点を配置することで文字のあいだにスペース空くため、視覚的にも読みやすくなります。
(例)
「今日は忙しかったので家に帰ってすぐに寝ました」
「今日は忙しかったので、家に帰って、すぐに寝ました」
読点を使っている文のほうが、意味のまとまりを認識しやすいのではないでしょうか。
読点の使いすぎは、逆に読みづらくなってしまいます。
一文を40文字前後で書く場合には、一文につき読点が1〜2個程度だと読みやすいでしょう。
読点は「音読」でチェックする
ここまで、読点を打つ位置を解説してきました。
しかし、それでも読点がある方がよいかどうか、迷ってしまうこともあるでしょう。
読点の要否や、読点を打つ箇所に迷ったときには、文章をゆっくりと音読してみましょう。
(例文)今日は天気が良く散歩に出かけましたが途中で雨が降り始めました。
読みながら一息つきたい箇所に、読点を打ちます。
このとき、「ゆっくり読む」というのがポイントです。
早口で読んでしまうと、一息つく箇所がわからなくなってしまうからです。
逆に、読点に従って文章を読むと、不自然さや違和感があるときには、読点の位置や数を見直します。
(読点が多すぎる例)今日は、天気が良く、散歩に出かけました、が、途中で雨が降り始めました。
上の例では、「が」の前の読点の存在感が大きすぎるのではないでしょうか。
小説といった文学的な表現が求められるようなケースでなければ、「が」の前の読点は不要です。
ただし、「今日は」のあとの読点については、文章全体のテーマやテイストによって要否の判断がわかれるところでしょう。
(改善例①)今日は、天気が良く、散歩に出かけましたが、途中で雨が降り始めました。
(改善例②)今日は天気が良く、散歩に出かけましたが、途中で雨が降り始めました。
改善例①と②のどちらがよいかは、ケースによって異なります。
改善例①は一息つく箇所が多くのんびりとした印象、改善例②は無駄なく情報を伝える印象を読み手に与えることでしょう。
より深く文章にこだわりたい方は「トンマナ」を勉強するのがおすすめです。
シンプルに考えて、シンプルに書こう
この記事では、読点の使い方のポイントを解説しました。
基本的な読点の使い方を押さえ、音読でチェックすれば、読点に関する多くの問題は解決するでしょう。
読みやすく、わかりやすい文章になればOKです!
文章を推敲するのはたいせつですが、考えれば考えるほど複雑な文章になることもあります。
まずは、シンプルに考えて、シンプルに書くようにしましょう。
Webライティングを勉強しはじめると、何気なく書いていた文章にも悩みがでてくるものです。
逆に、疑問がでてくる時期は、能力の伸び時ともいえます。
本ブログでは、ほかにもライティングのノウハウやTipsを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。