「改行すれば、接続詞がなくても分かる気がするけれど、接続詞ってある方がいいのかな?」
「Webだと、紙媒体よりも接続詞を見ない気がする……なくてもいいの?」
文章のつながりを補足する「接続詞」
実は、Webライティングでは接続詞をできるだけ減らす方がよいことを知っていますか?
この記事では、Webライター向けに接続詞の使い方について解説します。
「なぜWebでは接続詞を減らすほうがよいのか」や「どのように接続詞を減らせばよいのか」を知って、よりわかりやすい文章を書けるようになりましょう。
接続詞とは
接続詞とは、文章や段落の前後において、話をつなげる言葉のことです。
代表的な接続詞の種類と例を紹介します。
日本語にはとても多くの接続詞が存在します。
接続詞にはさまざまな効果があり、文章の流れや話の展開をわかりやすく示したり、強調したりできるのです。
Webライティングでは接続詞を減らすほうがよい理由
紙媒体と比較して、Webライティングでは接続詞を多用しないほうがよいとされています。
なぜなら、接続詞が多く使われた文章は読みづらいからです。
実際に文章でみてみましょう。
(例文)
昨日の朝は雨が降っていました。そのため、私は外出を控えました。しかし、午後は天気が回復したので、買い物に行きました。まず、スーパーに寄って食材を買い、その後、図書館に立ち寄って本を借りました。その後、夕方は友人とカフェで待ち合わせをして、一緒にコーヒーを飲みました。結果的に、充実した一日を過ごすことができました。しかし、帰宅後は疲れが出て、すぐに寝てしまいました。
昨日の出来事を時系列で説明した文章です。
意味は理解できるものの、少し説明がくどい印象を受けるのではないでしょうか。
この文章から不要な接続詞を省いたものが、次の文章です。
(接続詞を減らした文章)
昨日の朝は雨が降っていたため、私は外出を控えました。しかし、午後は天気が回復したので、買い物に行きました。スーパーに寄って食材を買った後、図書館に立ち寄って本を借りました。夕方は友人とカフェで待ち合わせをして、一緒にコーヒーを飲みました。充実した一日を過ごすことができましたが、帰宅後は疲れが出て、すぐに寝てしまいました。
接続詞を減らしただけなので、文章の長さはさほど変わりません。
しかし、接続詞を減らした文章のほうがスッキリと読め、内容が頭に入ってきやすいのではないでしょうか
Webライティングでは「シンプルで分かりやすい説明の文章」が求められます。
文学作品のように、予想外の展開や深い文章的表現は登場しないため、特に順接の接続詞の多くがWebライティングでは不要になります。
「接続詞があっても意味が通じるのなら、よいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、なくてもよい接続詞が多く存在すると、読者にくどい印象を与えてしまいます。
Webライティングにおいては「接続詞がなくても意味が通じるケースは多い」ということを、まずは知っておきましょう。
小説だと「一方、そのころ……」や「そればかりか……」といった様々な接続詞の表現を使って、話の展開をつなげたり、わかりやすくしていきます。
Webライティングとは違ってタイトルの数が少なかったり、装飾がなかったりという点も、小説では接続詞が多くなる理由の一つかもしれません。
接続詞を減らす4つの方法
文章を簡潔にして読みやすくするために、接続詞を減らすのは有効です。
しかし、単に接続詞を削るだけでは、意味が伝わりにくくなることもあります。
そこで、ここではWebライティングに特化して「文章をよりわかりやすくしつつ、接続詞を減らす方法」を4つ紹介します。
見出しを増やして書く内容を絞る
見出しを増やして、一つの見出しあたりの説明内容を限定しましょう。
話題を限定することで、接続詞によって話の流れを補足す必要性がぐっと減ります。
また、見出しを充実させると、記事の流れの論理的な展開を確認しやすくなります。
目次構成の論理性が高まれば、より接続詞に頼らなくても論理的に内容を伝えられるでしょう。
読者が目次を見ただけで記事の流れや具体的な内容がわかるように、文章全体を整理するのが大切です。
目安としては、本文200〜300字程度で説明できる内容ごとに見出しを設けるとよいでしょう。
一文を短くする
接続詞でつないである文章は、その前後で分けて、一文一義(一つの文には、一つの情報だけにすること)にしましょう。
分けたあとに接続詞がなくても意味が通じるのであれば、接続詞自体をなくします。
(元の文)
うちの猫はほとんど1日中寝ているのですが、お腹が空いたときだけすり寄ってきて、私が遊んであげようと思ったところでそっぽを向きます。
↓
(改善例)
うちの猫はほとんど1日中寝ています。
お腹が空いたときだけ、すり寄ってくる。
私が遊んであげようと思ったところで、そっぽを向くのです。
改善例では接続詞をすべてとりのぞき、3つの短い文章に分けています。
短い文章は理解しやすいため、接続詞がなくても意味が通じやすくなります。
ただ、短い文ばかりだと、稚拙な印象を与えてしまいます。
文章の長さが40〜60文字くらい(Wordの一行の長さが目安)であれば、過度に気にして一文一義に区切る必要はありません。
箇条書きを使う
いくつかの項目を並べて例示したいときや、時系列で説明したいときには、箇条書きを使いましょう。
タイトルと合わせて箇条書きを使うことで、接続詞がなくても説明が成り立ちます。
箇条書きを利用すると、視覚的にも読者にわかりやすくなります。
(元の文)
カレーの作り方を説明します。まず、野菜の下ごしらえをします。次にフライパンを熱して、肉を炒め、肉に火が通ってきたら最初に下ごしらえしておいた野菜を入れて、さらに炒めます。その後、規定量の水を加えて煮ます。20分ほど煮たあとに、一旦、火を止めてカレールーを入れて溶かします。最後に弱火で10分ほど加熱し、トロミがついたらカレーの完成です。
↓
(改善例)
<カレーの作り方>
1. 野菜を下ごしらえします。
2. フライパンを熱して、肉を炒めます。
3. 肉に火が通ってきたら、1の野菜を追加してさらに炒めます。
4. 規定量の水を加えて、20分ほど煮ます。
5. 火を止めて、カレールーを入れます。
6. カレールーが溶けたら再び火をつけて、弱火で10分ほど加熱します。
7. トロミがついたらカレーの完成です。
見直すときに不要な接続詞を削除する
接続詞は「使わずに書く」よりも、「書いたあとに、不要な接続詞を削除する」のがおすすめです。
接続詞は文章構造を明確にできるため、話の整理や整合性の確認に役立ちます。
また、内容の整合性や流れを考える上でも欠かせない存在です。
接続詞を回避するばかりに、頭の整理に時間がかかりすぎたり、整合性が取れない文章になってしまったりしては、元も子もありません。
はじめは接続詞の存在を気にしないで文章を書き、あとで見直すときに、無くても意味が通じる接続詞を省くようにしましょう。
見直しポイントの一つとして「不要な接続詞がないか」を追加しましょう!
接続詞の使い方のポイント
Webライティングにおいても、接続詞が必要な場合もあります。
ここでは、接続詞を使う際のポイントを解説します。
逆説の接続詞は必須
逆説の接続詞は省略しないようにしましょう。
例えば、「しかし」「ところが」「が」などです。
逆説の接続詞は前後で反対の内容を説明するときに使うため、取ってしまうと意味が通じなくなります。
順接の「が」は使わない
順接の「が」は使わないようにしましょう。
順接の「が」とは、「焦ったが、間に合った」などです。
順接の「が」は文法上の誤りではありませんし、話し言葉ではよく用いられます。
しかし、順接と逆説の両方の意味で気軽に「が」を多用してしまうと、読み手は反対の展開を想定しながら読むことになり、疲れてしまったり混乱したりするのです。
先に説明したとおり、逆説の接続詞は省略できません。
そのため、順接の「が」は使わないようにして、「が」が使われるシーンは逆説だけに限定しましょう。
例えば、ホテルに宿泊日変更の依頼をメールして、後日、ホテルから電話がかかってきたとします。
「先日お問い合わせいただいた件ですが、……」と言われたら、どのように考えますか?
この時点では、「が」が順接(延泊OK)なのか、逆説(延泊NG)なのか判断できず、ドキドキするのではないでしょうか。こういったストレスを読者に与えないために、順接の「が」は使わないことが大切です。
最小限の接続詞でわかる工夫をマスターしよう
接続詞は、日常的に会話や文章で使われ、話の構造や流れをわかりやすくしてくれる存在です。
しかし、シンプルな文章でわかりやすく伝えることを目的としているWebライティングでは、接続詞を多用すると逆効果になってしまいます。
これまで意識しないで接続詞を使ってきた方は、ぜひ4つの方法を試してみてください。
4つの方法を使えば、頑張って接続詞を減らさなくても、自然と接続詞を使うシーンは減ります。
また、接続詞を減らすだけでなく、わかりやすい文章になるため、文章の品質がアップしますよ。